耳の中がくさい、臭う・・原因と対処法
- コラム
耳がくさいと何か病気が隠れているのではと心配になる方もいるかもしれません。
耳に何が起きているのかについてご紹介します。
外耳炎(がいじえん)
外耳道に炎症が起こることで耳だれが生じ、これが臭いを放つために耳がくさいと感じます。
慢性的外耳炎は、一般細菌に加えて真菌(カビ)の感染も多く、治療しても繰り返される方がいます。
また必要以上の耳掃除が症状を悪化させている場合もあります。
耳掃除を控えて頂き、症状に合わせて外用薬を使用します。
穿孔性中耳炎(せんこうせいちゅうじえん)
鼓膜に穿孔(穴)があり、その内側から耳だれが出てくるために臭いを感じます。
赤ちゃんの耳が臭い場合の多くが、急性中耳炎による鼓膜の穿孔からの耳だれによるものです。
真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)
鼓膜が中耳側へ深く引き込まれてしまい、その部分で耳垢がたまっていくことによって周囲の組織を破壊していく中耳炎です。
悪臭を伴った耳だれがでることがあるため、この病気になっていると耳の中がくさいと感じるようになります。
進行するとさまざまな合併症を引き起こす可能性があるため、治療は手術を行います。
中耳炎のタイプでは耳だれが症状として出てくるものが多くありますが、この真珠腫性中耳炎の耳だれは悪臭を強く感じるタイプになります。
術後性乳突腔障害(じゅつごせいにゅうとつくうしょうがい)
以前(何十年も前)に、中耳炎に対して中耳根治術という方法で手術された方は、本来耳の内部にある乳突腔が外部に解放され、耳の中が大きく広がり、自浄作用が失われた空間になることがあります。
これを術後性乳突腔障害と呼んでいます。
常に自分では掃除できない場所に耳垢が溜まりますので、定期的に耳鼻科に通院する必要があります。
新たに現代の手術方法に置き換えることで、正常に近い耳にもどすことができます。