耳のできもの・副耳やアテロームって?
- コラム
耳の外側や耳の中にできものができているのを見つけると、つい何か悪いものではないか…時になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、耳の外側及び耳の中にできものの正体は何なのか、およびその対処法についてご紹介します。
耳の外側にできたできもの
・副耳(ふくじ)
耳の穴の近くに皮膚で覆われたできものができる病気で、生まれつきであることがほとんどです。
1000人中15人程度の割合でできるためそれほど珍しい病気ではないとされています。
片方の耳の前に1個だけできることがほとんどですが、まれに両耳にできたり複数できたりします。
大きさもさまざまで、胡麻粒程度から大きな大豆くらいのものまであります。
副耳自体に症状はないため治療をしなくても問題はありません。
美容的な理由で切除を希望する場合には外科的に切除をします。
・アテローム(粉瘤)
アテロームとは本来皮膚から剥げ落ちるはずの角質と呼ばれる垢と皮膚の脂である皮脂が、剥げ落ちずに皮膚の下にできた袋状の構造物の中に蓄積されてできます。
良性のできものではありますが、まれに細菌が侵入して炎症を起こして腫れ上がることもあります。
炎症を伴わない場合には、外科的治療でアテロームのできている皮膚ごと切り取って縫合します。
治療は日帰りで行うことが可能です。
炎症を起こしている場合には切開をして膿を出してしまいます。
アテロームは皮膚のどこにでもできるため、耳の周りのいずれの場所にもできることがあるできものです。
耳の中にできたできもの
・外耳炎(がいじえん)
細菌に感染することで外耳が炎症を起こす病気です。
主に耳の痛みや耳だれが症状として一般的ですが、耳の中にできものができていて、それが炎症を起こすことによって外耳炎になるということや、外耳炎になったことで炎症を起こしできものができるということもあります。
治療は外耳をきれいに洗浄し、そのあと点耳薬を使用します。
炎症が強い場合には飲み薬も処方されます。
・聴器がん
外耳、中耳、内耳のいずれかに発生するがんです。
100万人に1人程度の割合と非常にまれながんです。
耳の中に腫瘤ができるほか、耳だれ、耳出血、耳痛、聴力低下や耳閉感が症状として出てきます。
外耳に最もできやすいがんです。
治療は外科的切除が一般的ですが、放射線なども組み合わせて治療がされることもあります。