耳掃除(耳垢)の正しい仕方 どれくらいやればいい?
- コラム
家庭で行う耳掃除(耳かき)はどのようにしていますか。
耳掃除用品で検索すると、光るLED付きのもの、イヤースコープといったカメラがついているものもあります。おそらく家庭で教わった方法で耳掃除をしている人が多く、耳鼻科などで専門家に教わった方法で耳掃除をしているという人は少ないのではないでしょうか。
今回は、家庭での耳掃除の方法を専門的な観点でご紹介します。
耳垢はどのあたりにたまるの?
耳垢(みみあか)は、外耳道(がいじどう)の入り口近くにたまるとされており、人によっては耳の奥から外耳道に向かって徐々に移動してくるとされています。
そのため、無理に耳の奥を掃除しようとせず、見える範囲の耳垢を取り除くことが推奨されています。
おおよそ耳の入り口から1cm程度のところを掃除すれば十分です。
特に、奥の方まで綿棒などの耳掃除を押し込んでしまうと、耳垢も一緒に奥の方に行ってしまうのであまりお勧めできません。
また、日本人は全体の3/4がカサカサの耳垢である乾性耳垢で、残りの1/4がネバネバの耳垢となる湿性耳垢とされています。
耳掃除はどのくらいの頻度で行えばいいの?
外耳道は、構造上かなり狭くできているため頻回に耳掃除をすることで外耳道を傷つけてしまう可能性があります。
そのため、2~3週間に1回程度が耳掃除をするベストなタイミングです。
月に1回の耳掃除でも十分であるとされています。
耳掃除をするには耳かき棒と綿棒どちらの方がよいですか?
一般的に耳かき棒と綿棒どちらかが秀でているということはありません。
そのため、自分の耳垢のタイプや使ってみて使用しやすい方で耳掃除をすればよいと考えられます。
耳掃除を家庭でする上で注意することは?
耳掃除を家庭でするうえで最も注意したいことは、耳掃除中の事故です。
耳掃除中に人やペットがぶつかって綿棒や耳かきが奥まで入ってしまい、外耳道を傷つけてしまった、あるいは鼓膜を破ってしまったという事故はよくあります。
子どもの場合、自ら綿棒を奥に入れてしまったという事例も多くありますが、大人であっても誰かにぶつかられて傷つけてしまったという事故が多くあり、中には入院が必要となった事例もあります。
耳掃除中の製品別にみると、耳かき棒が51.8%、綿棒が48.2%とほとんど差は見られませんでした。
人によっては外耳道が極度に狭いなど、耳の構造上自力での耳掃除が難しいという方もいます。
そういった方が無理やり耳掃除を家庭ですると思わぬ事故にもつながりかねません。
最近では、さまざまな耳掃除道具が出ていますが、家庭での耳掃除が難しい場合は無理せずに耳鼻科を受診し、専門家に耳掃除をしてもらうようにしましょう。