2013年 耳科学会 in 宮崎
- 学術活動
毎年恒例の耳科学会に当院ドクター3人で行ってきました。今年は、11月24日(日)〜26日(火)の変則的日程(通常は木金土)で、患者の皆様には大変ご迷惑をおかけしましたが、国際学会との絡みがあってこのような日程になったとのことです。
私(院長)は,公募パネルディスカッション「耳科領域の短期滞在型手術」で鼓室形成術およびアブミ骨手術における術後めまいの発生予防について口演しました。本学会は、耳の手術のスペシャリストが多数参加していますが、日帰りで「鼓室形成術およびアブミ骨手術」を行っているドクターは一人もおられず(皆さん一泊から数泊入院)、私は当院が開業してから日帰りで安全に手術ができるようになった経緯と工夫について述べました。特に、アブミ骨手術の術後めまいに対して、これを予防する確実な結合組織を用いたリンパ液シールド法(欧米ではかなり流行しつつある方法)をVTRで紹介しました。海外では約20年前から日帰り手術がスタンダードですが、日本の保険制度では無理して日帰りにしても病院側のメリットがない仕組みになっていることもあり、入院期間が短縮されても日帰り手術まで踏み込む施設は皆無に近いのが現状です。日帰り手術が安全かつ確実にできるのであれば、患者様の経済的、時間的負担は大きく軽減できるので、今後も当院ではこの方向で頑張っていきたいと思いますし、日帰り手術を目指して開業するドクターが増えることに貢献したいと思っています。
野々田先生は、「術後気骨導差を用いた聴力成績判定における3 kHz 聴力の影響」という演題で口演しました。これは、日本の手術成績の評価法と欧米の評価法との間の違いに対して、これを是正するときに発生する3KHz聴力の扱い方について詳細な検討を行ったものです。海外に向けて論文を投稿する場合、日本式測定法では少し不利な結果になってしまうという結果を得て、これを是正するために日本では一般的に測定しない3 kHz 聴力も測定した方がよいという結論で、座長先生を含めて会場からも賛同の御意見を多くいただきました。
野々田先生 口演中
学会会場は宮崎県のシーガイアコンベンションセンターで、折しも学会初日は、男子プロゴルフトーナメントであるダンロップフェニックスの決勝が目と鼻の先のフェニックスカントリークラブで行われておりました。学会の合間を縫って細田と岩野正先生(一緒の群で口演された岩野耳鼻咽喉科院長 ) の二人で観戦に行ってきました。と言いますのも、二人とも何も用意してなかったのですが学会に到着してから、「それぞれ別々のルートで二人分の最終日チケットを譲ってもらえる」という夢のような超幸運に遭遇(チケット譲っていただいた友田幸一先生、河野浩万先生 大変ありがとうございました)して、ルーク・ドナルドと松山秀樹のショットに二人とも背広とネクタイ姿で至極感動していました。革靴は砂埃まみれになりましたが、学会会場に戻って処理しました。
岩野正先生と学会会場内のカフェにて
中耳炎手術のスーパースペシャリスト 河野浩万先生と 懇親会場にて
会員懇親会では、当院宴会部長 大谷真喜子先生に指示されるまま他大学の先生方の集団に合流させていただき、多くの情報交換と親睦を行うことができました。学会最終日は、やはり真喜子先生の指示で宮崎牛を地元有名店で堪能しました。今回も、新しい知見や技術が多数報告され、学問の進化はさらに加速度上げているのを感じます。広くアンテナを張って、より上質なものを吸収するよう見つめていきたいと思います。
院長の昔サーファーの血で、シーガイアの海岸まで波を見にきました